みさ日記2019/01/24「インドに行けないかも」「ピザ」「大丈夫です」

●インドに行けないかも

インドに行くためにはビザが必要なんだって。

深く考えていなかったけれど大変なことだったの。

e-visaっていうのをインターネットで申請するんだけどね、半日かかっちゃった。

きっと簡単に出来る人は簡単なのよね。

壮二郎もひょいひょいやっていた。

英語表記だけれど、いまは親切に説明してくれるページもあるんだけどね。

出来ないのよ。これが。

パソコンの画面を見ながら手元にアイパッドを置いてそれを参考にして打ち込むのだけれど、タイムアウトになっちゃう。

タイムアウトでも途中から始められるという話だけれどわたしにはそれさえ出来ない。

また最初から始めるの。

名前はmisaoyashimaです。住所はsapporo です。

パスポートと自分の写真をjpegとpdfでアップロードって、それ何のこと?

その部分だけは壮二郎にやって貰ったけれど、ダウンロードしたその写真をどうやってe-visaに取り込むのかがわからない。

呆れた壮二郎が

「みさおまだダウンロードの意味がわからないの?これで何回目?」と言う。

わからないものはわからなくて、わからないということは何がわからないかわからないと言うことなのよ。

壮二郎に

「ああみさお、インド行けないかもね」

と言われる悲しさよ。

胃がキリキリ痛む。

もう英語の質問を全部憶えるくらい何度もトライしたわよ。

父親はどこの国生まれ?軍隊にいたことある?インドに来るの何回目?

もうそんなこと聞いてどうするの?ヒトの事情に立ち入り過ぎよインド国!

スピリチュアル界隈の人が

「インドは呼ばれた人しか行けない場所」

なんて言うけど違うってば

このe-visaを乗り越えた人しか行けないってことだって。フン!

お高いと言われるフランスだって、物価がえらく高いハワイだってこんな面倒なことさせないからね。

観光客、是非来て来てって言うよ。

もうね、行く前からすんごくインド嫌いになっちゃった。

ああ、やっと最後まで行った!と思ったらカードの承認が出来ないの。

ビザっていったいいくらなのよ!いますぐ現金で払うわよ!

とパソコンにお金を投げつけたくなる。

いくら毒付いても冷静なパソコン(名前は黒井さん)は顔色も変えない。

やるわよ、最初からやるわよ。

名前はmisaoyashimaよ。

住所はsapporo よ!

父親はjapan 生まれってさっきも言ったよね!何度も聞かないでってば!キーッ!

 

何がなんだかわからないままに申請が出来た。

通るかどうかはわからない。

もう一度やれと言われてももう出来ない。

眉間に刀傷みたいな皺が出来た。

胃が痛い。

でも四つ葉の生クリームを1パック泡立てて六花亭のプリンとコーヒーに載せて食べる。

いつもほど美味しく感じないけれど、贅沢することに意義があるのよ。こういう場面ではね。

ああ、人はこういうことを繰り返して病気になるのよね。

 

●ピザ

ビザ申請で体力を使い果たしたので今夜はピザにする。

おやじギャグじゃないからね。

 

コンベックオーブンで4枚一度に焼くのが我が家スタイルだったのだけれど、友達がお魚焼くグリルで上手に焼いてる写真を見てその方法に変更したの。

むしろコンベックよりカリっと焼けるという驚き。

これで良かったの?

昨日作っておいた生地をうすーく延ばす。

オリーブオイルをさっと塗って焼く。

プロシュートとルッコラとパルミジャーノ・レッジャーノを載せるだけ。

ああ幸せ。

胃が痛くなければ何枚でも食べられるのに。

普段ストレス無しの生活をしているから、耐性ないんだわね。

嫌なことは忘れようっと。

 

●大丈夫です

胃が痛くてぼんやりしていると壮二郎が

「いま。youtubeでワイシャツの仕立ての動画を見たんだけど凄いね。みさおに出来るわけないね」と笑っている。

胃が痛い時に嫌なことを思い出した。

家庭科の時間にミシンで指を縫って気絶するほど不器用だったのに、進学の時にあちこち落ちて最後に受かった短大の家政科に通ったのよ。わたし。

洋裁和裁料理を2年間でひと通り出来るようになる。はずなんだけどね。

出来るわけないじゃん。

針穴に糸を通すことも出来ないくらいの不器用なのよ。

まだ老眼じゃないんだからね。18歳なんだからね。

ワンピースの仕立ての時には万策尽きて仕立て屋に持って行ったっけ。

勿論ばれて学長呼び出しになったんだけどね。

春休みいっぱい補修に通った悲しい思い出よ。

まつり縫いひとつまともに出来ないまま卒業したけど、輝く専業主婦なんだから、今時は針仕事なんかしなくても平気平気と怠けていたら離婚して就いた仕事がデパートの婦人服売り場だった。

 

パンツの丈詰めピン打ちも、堂々とするのよ。このわたしが。

売りたいがために「大丈夫です。ウエスト10センチ出せます」と大口を堂々と叩くの。

心の中ではいつもドキドキしていた。

失敗?これが意外としないのよ。

お直しあがりのウエストサイズがちょっときつくてもお客様は

「大丈夫!きつくないわ!」

と言うの。太った今ならその気持ちわかるわかる。

パンツの丈がちょっと長めの場合は

「あら、ちょっとお痩せになりましたか?パンツが長くなっちゃいましたね」

と堂々と言えばお客様はゴキゲン。

そ、人生は堂々としていればなんとかなるのよ。

大丈夫!わたしに任せて!

 

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