●金色大好き
派手好きなのよね。若い頃は黒やグレイや焦げ茶の服を着ていたのだけれども。
この間も靴売り場でつい「その奥でホコリをかぶっているエメラルドグリーンの靴をください」と言ってしまった。
だってね、この年齢になると「これが我が生涯最後に買う靴かもしれない」と思うと茶色の靴なんて買っていられなくなるのよ。もう「何にでも合わせられる色」を選ぶことを止めたら「これ誰も買わないよね」「仕入れたの誰よ」と売り場で持て余されているものを嬉々として買うようになった。
つまりは北海道在住の大阪のオバちゃん状態で、違うところは北海道のオバちゃんは飴ちゃんのかわりに六花亭のマルセイバターキャラメルを配るってことかな。
金色も大好きよ。腕時計もピアスも靴も金色ダウンは銀色で銅色の顔で歩いた昨年の冬。あ、だからってわたしがオリンピックを楽しみにしているってことじゃないからね。
ヒマを持て余してネットニュースを見たらなんじゃこれ。金メダルをとった選手の地元のポストを金色にするんですと。わたしんちの近くには金メダルを取る選手がいるという噂は聞かないので毎日南インド屋の商品をたっぷりいれてスパイス臭がする近所のポストが赤から金色になることはないと思うんだけどね。なんだろこの冴えないアイディア。誰が喜ぶんだろって、お身内親戚縁者は嬉しいのか。何かもっと素敵なことって思いつかないのかな。とネットを掘っていくと、えええええ、選手村だかなんだかの(忘れた)トイレを金色で飾るってええ?まあトイレは昔「金隠し」ってのがあったからトイレと金は縁がある?ないか。金色で飾られたトイレを使うと選手の皆さんは「やる気」が出るのだろうか。
どうして世の中のエライ人達が思いつくことの心の踊らなさって昭和の小学校並みなのかな。「一年生を迎える会」のためにチリカミを束ねてお花の飾りにしたり、折り紙を長四角に切ってトモエのりで輪にして繋げていく鎖飾りとあんまり変わらない気持ちがするのはわたしだけなのかなあ。も、も、もしかしたらみんな(エライ人も)あんまりオリンピックって楽しみじゃないんじゃないの?と思ったのは長野オリンピックの閉会式で欽ちゃんが司会だって知った時なんだけどね。もしかして金と欽をかけた駄洒落?だとしたらその伝統を正当に受け継いだのがあの豚とオリンピックを融合させたオジサンなのかな。正統派?
●おきん婆さん
サザエさんが実は24歳で自分はフネと同じ年齢だと気づいたのは6年前。心はワカメちゃんのつもりの52歳の自分に「お前しっかりしろよ」と突っ込みをいれてから呆然としたっけ。でもせいぜいサザエさんの気分の同級生がゾロっといることは気づいていた。とはいえあれはマンガだしね。
小林亜星さんが亡くなって懐かしくて「寺内貫太郎一家」を観た。youtubeってホント便利よね。テレビのない我が家だしイマドキの若い俳優さんは見分けがつかないわたしには古いドラマが見られるってああ楽しい。小学生の時に大好きなヒデキと毎晩屋根の上で調子っぱずれの歌を歌うミヨちゃんが羨ましかったよねえ。ね!昭和の女の子たち!
久しぶりに観て驚いたのは貫太郎の肌がツヤツヤしていること。若いんだよーー!お母さんの里子さんもびっしり生えそろった生え際もすべすべした白い肌もお姉さんがお母さんの扮装をしているみたいだし、「嫁き遅れ臭」を出していた美人の静江さんはまだ23歳だった。その他の登場人物も言うまでもなく「渋くてカッコいい!」と思った藤竜也さんも「色っぽいオトナの女性」と思ったお涼さんの篠ひろこさんも若すぎて顔がつっぱってるんだもんね。わたしは子供の頃何を見ていたんだろう。
ああ、いまのわたしがお付き合いする(いるとしたらだけど)男性の年齢は勿論ヒデキでも藤竜也さんでも貫太郎でさえもなくて岩さん(伴淳!)花熊(由利徹)なのよね。ひゃあそうだったんだ。
そしてわたしは悠木千帆さん演じるところのおきん婆さんの年齢に近づきつつあるのよねえ。
そしてあの頃「お婆さんだな」と思っていた悠木千帆さんが実は当時30歳になったばかりでつまり今の壮二郎より若いのよ。ああもうなんだかわかんなくなっちゃう。こういう時には便利な言葉があるのよ。
「時空の捻れ」これよこれ。
あ、金色大好きの次におきん婆さんを持ってきたのは駄洒落じゃないからね。偶然!