六花亭大好き!
ねえねえねえ知ってる?
六花亭カフェではケーキも売ってるのよ。
見かけは垢抜けない。と言うか近代的ではないケーキ。
それが美味しくてね。
しかも安いの。
主力の苺ショートケーキが250円!
近代的じゃないって言ったって昭和30年代の赤いゼリーでできた苺のケーキじゃないのよ。
ホントの苺にホントの生クリームなんだからね。
苺ショートは可愛い。
いつ見ても可愛い。
赤と白の組み合わせは白雪姫の色よね。
白雪姫ってお母様が指を針で突いちゃって真っ赤な血が雪に零れたときに
「こんな娘が欲しい」
って思ったんだよね。フツーそんなこと思うかいな。
呪われてるよね。
そりゃ、生母早死→メンヘラの継母虐め→小児性愛者っぽい狩人に誘拐→小さいおっさん7人と同居
→毒物誤飲→臨死体験→生還
という数奇な運命歩むよね。
ま、白雪姫の性格にもかなり問題ありだわよね。
あ、白雪姫はどうでもいい。関係なかった。
苺ショートの話よ。
この人気はきっと往年の吉永小百合的な人気なんだと思う。
女の子らしくてお姫様っぽくてちょっと垢抜けなくて知名度No.1っての。
結局不動に人気だよね。っての。
今年の夏、白二郎が
「ねえ、みさお六花亭の苺ショート美味しくなったと思わない?」
た、確かに。
以前から美味しいとは思っていたけれども生クリームが限界まで軟らかくなってスポンジもしっとりしている。
どこでも味が落ちている昨今、美味しくなるって六花亭、偉すぎよね!さすがわたしが見込んだ花夫!と褒めていたの。
そ、生クリームの純度が上がったような気がするの。
舌の精度ではわたしは白二郎に勝てない。
でもね、生クリームの純度はわかるの。
植物性の生クリームが混入していると「毛穴が詰まる感」があるの。
つまり舌じゃなくて皮膚でわかる。
わたしは生クリームに結婚を申し込まれたら承諾してしまうくらいに生クリームが好きなの。
あ、ちなみに牛乳飲むとお腹痛くなるんだけどね。
美味しい美味しいと喜んで一日おきくらいに六花亭カフェに買いに行くの。
そうよ、夏の話しだからね、杏仁豆腐もブルーベリーも七夕さまも買いながら実は苺ショートケーキも買い占めていたのよ。
「恥ずかしい」
「気後れする」
って言葉をわたしのお腹に置いてきた白二郎があるとき六花亭の店員さんに聞いたの。
「最近ショートケーキが美味しくなったような気がしますが作り方を変えたのですか?」
「実はショートケーキだけ駅前店で作ったのを朝、市内各店に配送するようになったんです。
だから美味しくなったのだと思います。でも美味しくなったと言ってくださった方は初めてです」
と店員さん。
白二郎は高い鼻を益々高々にしたわね。
わ、わたしだって生クリームの違いは毛穴で(白二郎に言われてから)わかったわよ。
でもね、六花亭偉いよね。
花夫社長のこだわりだよね。
そりゃー、ショートケーキは帯広工場から運ぼうとするとクリーム硬くするしかないよね。
ショートケーキへの愛が轟々と音を立てて燃えるのがわかった。
駅前の六花亭カフェでお茶する時にもまず一階のショップで売っている苺ショートを買い占めるわけよ。
ところがね、夏場だから一時間以上持ち歩きするのには300円払って保冷バッグを買わなくちゃならないの。
これから長話するんだもん。
でもね、250円のケーキ4個のために300円の保冷バッグって身を切られるほど辛くない?
これは苺ショートへの愛につかっているわたしのハートの中の「夢」「甘さ」「欲張り」の部分と
300円を出すのが悔しい「主婦感覚」って言うの?主婦じゃないんだけどつまりケチ心。
が相反するのよー。
ケチなら毎日六花亭通うなって言わないで!
でね、わたしがどうしたと思う?
フフフ、道民のあなたはわかるかも。
そうよ毎日通って貯めに貯めたポイントカードでその場でクーラーバッグに交換をしてそれにショートケーキを入れてもらったわけよ。
勝ったわよ!
誰に?え、えーーーっと。ケチ心にかなあ。
でね、二階のカフェでただ一人の男友達の内蔵助さん(仮名)と店舗限定のショートケーキを食べてべらべら喋ってお会計の時。
レジで店員さんが
「ショートケーキお好きなんですね」
って。
「あ、あ、ハイ好きです」
「さっき一階でも買っていましたよね」
だって。
みんな同じ制服だからわかんなかったけど、この店ローテーションあるの?
一階の人が二階カフェに来るの?
知らなかったよ。
きっと
「あのもじゃもじゃ頭のオバサン一階でショートケーキ買って、二階でも食べてるわよ」って噂しているのかな。
「持ち帰りの300円袋が勿体無いないとポイントカードでクーラーバッグを入手なさりその中に入れて帰った方がいました」
って今日の日報に書いたかな。
悲報
その後北海道に地震が起こり乳製品の流通が不安定になりました。
気がついたらショートケーキの味が以前の味に戻っていました(ちょっと毛穴が詰まるクリーム)
白二郎がまた店員さんに確認したところ、札幌店で作ることはもう止めたそうです。
そうよね、スタッフの負担大きすぎるもんね。
毛穴ちょっとくらい詰まってもそれでも他の店の苺ショートよりずーっと美味しいわよ。
そして、札幌本店一階のケーキのショーケースは撤去され地方発送コーナーになりました。
わたしが300円の保冷バッグ代をケチったせいでしょうか。