六花亭大好き!シフォンケーキ大好き!

六花亭大好き!

今回は「シフォンケーキ」

シフォンケーキ大好き。

 

でもね、六花亭のシフォンケーキの正式名称は

「十勝川西長いもシフォンケーキ」

なのよ。

ねえねえ、このネーミングどうよ。

ねえ、長いも入ったシフォンケーキ食べたい人いる?

しつこく書くけど六花亭の商品のネーミングはダサいの。

でもこれは社長の六村花夫の方針で

「田舎の婆さんでも憶えられる商品名」だから仕方ないの。

あ、これはあくまでわたしの妄想ね。

社長の名前も妄想だからよろしく。

ケーキの中でもシフォンケーキが大好きなの。

わたしの心の中のパリジェンヌが喜ぶのよ。

大きめのお皿に載せて食べるときには生クリームもたっぷりかけたいな。

ミモザの花咲くパリの街のカフェで食べているとアコーディオンを弾きが来て愛の歌を歌う。

「素敵なセニョリータ」

あれ、いつのまにかスペインになっちゃったよ。

そんなことはどうでもいいんだけど。

それくらい好きなシフォンケーキなんだけど

「十勝川西長いも」はダメだってば。

わたしの中のセニョリータ、違うパリジェンヌが

「それは違うわ」

と言っているもん。

 

だからずっと買ったことなかったのよ。

ある時なんとなく買ってみたら

「ええっ!美味しいじゃん、これ!」

びっくりしたわけ。

おいらてっきり長いもと醤油と海苔の入った和風シフォンケーキなんだと思っていたんだけどね。

膨張剤を使わずに六村花夫を育てた十勝の大地の長いもを使っているのよ。

郷土愛よ!

 

それなら早く言ってよね。

あ、ちゃんと説明書いてあったわ。

そんなの読まないのよ。

老眼なんだから見えないんだってば。

 

そしてね、この

「十勝川西長いもシフォンケーキ」は各月2種類の商品が出るの。

4月は「桜」とかね。

6月は定番「メイプル」と「紅茶」よ。

11月だったかなあ。

「フルーツ」と「さつまいも」だったの。

この月は買ったわよ。通ったわよ。

「フルーツ」はドライフルーツが入っているんだけれど、想像以上の量が入っていて感激なの。

特にオレンジピールが美味しい。

六村社長、偉いよ。

世の中のケーキがどんどんケチ臭くなっている時にこれだけの量のドライフルーツ入れるのは

多分亡き母スヱの

「お菓子は気前良く作るもんだべ」

って言葉を今も守っているからなんだと思うのよ。

「さつまいも」は小さな角切りにしたさつまいもがこれまたたっぷり入っていて

シフォンの生地とさつまいもの組み合わせが素晴らしいの。

「フルーツ」と「さつまいも」を両方食べると幸せなのよ。

一箱たった500円なんだもん。

安過ぎるわよ。

北海道に住んでいる限り自分でシフォンケーキ焼く必要ないんだわ。

なんだけど・・・。

長いも入りって言うところがやっぱりわたしのテンションを下げるのよね。

あのね、わたし子どもの頃長いも食べられなかったの。

食べると口の周りが痒くなって、喉も苦しくなったの。アレルギーよね。

でも母、亀子に

「身体にいいんだから食べなさい」と無理やり口に入れられた嫌な思い出があるわけ。

昔の長いもってアクが強かったのよね。

おろし金でおろした傍から黒ずんでくるのが気持ち悪かった。

 

大人になってからは食べられるようになったんだけどね。

でも、長いもにはダークな思い出があるのよねえ。

みんな、聞きたい?

 

主婦だった頃に「マンションの住民で自然食品の店から野生の長いもを共同購入しよう」っていう話が来たのよ。

「買う、買う!一箱買う!」

たいして好きでもないのにどうして一箱買ったんだろう。

どうして皆で分けようって思わなかったんだろう。

多分その時凄くお腹が空いていたんだと思うの。

 

 

一週間くらいして大きな箱が届いた時には

「あ、しまった」

と後悔したんだけどね。

こんな時はまずはベランダに放置よ。

 

「そろそろ長いも食べなくちゃ」

「あ、明日こそ料理しなくちゃ」

「今週中には食べなくちゃ」

 

とずるずると後延ばしにしていたわけ。

だっていくら大食いの子どもが三人とは言え幼稚園児に長いも料理って

「ホットプレート出してお好み焼きでもしようかな」

くらいしか思いつかないわよ。

だったらどうして箱買いしたの?って?

だからね。あの時はお腹が空いていて、長いも料理のアイディアが次々と浮かんでくるような気がしたのよ。

つまり注文するだけでもう満足したのよ!

ワクワクしたのよ!あの時はね!

 

ベランダの長いもの箱から

「ん?」

ちらりと紫色の紐みたいなものが出ているの。

近づいて良く見ると紫色の蔓なのよ。

 

 

「こ、これは見なかったことにしよう」

と放っておいたの。

 

一週間くらいしてから様子を見に行って、腰を抜かしそうになったの。

ダンボール箱の蓋が持ち上がっていて長いもからわさわさと蔓が延びていて

しかも濃い緑色の葉っぱが茂っているのよ。

その形が、ああ嫌だバルタン星人の手にそっくりなのよ。

しかもその蔓は這いずり這いずり延びてお隣さんのベランダまで伝っていたの。

ぎゃーーーーー

あー、思い出しても気持ち悪い。

まだ黒いゴミ袋が使える頃でホントに良かったよ。

地球に優しく物を大切に。って自然食品を購入しているのに

一口も食べないで捨てちゃったわよ。

一緒に購入したマンションの皆さんには秘密よ。

 

もう二度と長いもを箱で買うようなバカな真似はしないと心に決めた。

わたしだってこれくらい嫌な思いしたら学ぶわよ。

 

そしてもうこのことは忘れよう。

と、いつもの

「無かったことにした」

わけ。

 

と、と、ところがね。次の年。

ベランダの手すりに巻きつくバルタンの姿を見つけた時には心底驚いた。

文字通り我が目を疑ったわよ。

 

「ど、どうして去年捨てたバルタンが生き返ったの?」

 

ドキドキしながらバルタンを観察すると、ベランダの水流れるところあるでしょ。側溝って言うの?

そこにちょっぴり土が溜っていて、そこから長いもバルタンが生えていたの。

 

怖かった。

 

でもね、六花亭の「十勝川西長いもシフォンケーキ」はきっと

「花夫。長いものように粘りのある男になれ」

という母スヱの願いが籠められているはずだから。

食べてみて。

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